大学3年生でNBAにアーリーエントリーして見事全体9位で指名され、開幕からスタメン出場している八村選手の活躍は、NBAファンとして本当に嬉しいです。
ただ、ふと疑問に思ったことがありました。
あれ?大学を卒業せずにドラフトエントリーしてNBA入りするということは、八村選手は大学を中退扱いになるのかな・・・ということでした。
せっかく入学した名門ゴンザガ大学の卒業資格を捨ててでもNBAにいくが価値があるのはわかるけど、一方で3年まで学業を修めた大学が、中退扱いになってしまうのも、これまたもったいない。
そう感じたんですね。
なので、八村塁選手の大学問題はどうなるのか、そのあたりを少し調べてみました。
八村塁、大学はどうなる?卒業?中退?
そもそも八村塁選手が使ったアーリーエントリー制度。
NBAでは現在、年齢が19歳以上の選手がアーリーエントリー制度を利用でき、NBAドラフトの対象選手になる権利を得ることができます。
2019年のドラフトでは、大学3年生だった八村選手(21歳)のみならず、ペリカンズから全体1位指名を受けたデューク大学のザイオン・ウイリアムソンに至っては、まだ大学1年生、若干19歳でのアーリーエントリーでした。
今回のNBAドラフトにエントリーした選手たちは、そのほとんどがアーリーエントリーだったと思います。
大学へ行って学業も修めながらバスケがプレイしたいというよりも、NBA入団の「19歳という年齢制限をクリアするためだけに」、腰掛けで大学へ進学している選手も中にはいるのではないかと思います。
では、そんな選手たちは皆、大学を中退ということになるのか?というと、実はそうではないようです。
というのも、アメリカの大学の場合、アーリーエントリーでNBA選手として契約したとしても、本人が希望さえすれば、通信教育や夏休み中に講義を受けられるサマースクールといった受け皿があるので、そこでしっかりと残りの単位を取得すれば、卒業して学位を受けることができる仕組みがあるんです。
過去には、マイケル・ジョーダンが出身大学のノースカロライナ大で、シャキール・オニール選手はルイジアナ州立大をプロ入り後に卒業していますし、シャックに至っては、2005年にフェニックス大学でMBAまで取得しているんだから本当に凄いですよね。
事前に決められた唯一のレールに沿って学ぶ方法だけではなく、自分のキャリアに応じた、自分自身が学ぶタイミングを選択できるアメリカは、本当に素晴らしいと思います。
多様性の時代ですから、是非、日本も見習って、たった一つの方法に固執しない柔軟な体制を整えて欲しい。そう強く感じます。
こういうアメリカの学校状況を踏まえた上で八村塁選手の大学問題を紐解くと、おそらく彼の場合は中退を選ぶことなく、きちんと大学卒業資格を取るように計画しているんだろうな、と想像します。
全く英語ができないところから出発した八村選手。
異国でのバスケットの苦労もさることながら、学業でもきちんと学位が取れる制度があると知って、彼の頑張りが無駄にならないと知って少し安心しました。
日本もに習うべきアーリーエントリー制度の中身
さて、アメリカの大学は卒業に至らなくてもNBAにアーリーエントリーに挑戦できるのは、アメリカの教育制度とリーグが密接に連携している現実がありました。
一方で日本に目を向けると、学生がいくら突出した才能のある選手であろうが、また例え、NBAからお声が掛かるような選手だとしても、その時点でプロと契約するようなことになれば、大学は中退扱いにしかなりません。
スポーツ選手は、いつ何時大きな怪我してキャリア継続が困難な状況になるとも限らないというシビアな側面があります。こればかりは計算できないです。
もし、怪我でキャリアを棒に振ることになったら、、、どうなるんだろう?
そういう不安があれば、いくら目の前に大きなチャンスがあっても、若くして大舞台に挑戦することに躊躇するかもしれません。その気持ちはわかるような気がします。
であれば、プロ選手としてプレイするタイミングも遅らさざるを得ないということにも繋がるわけで、選手として、アスリートとしては、非常にどっちつかずの悩ましい状況の中で貴重な時間を過さざるをえないことになりますよね。
もし日本でも、アメリカ同様にアーリーエントリーでプロ入りしても大学を中退にならず最後まで学業を修められるような制度があれば、日本の選手たちの考え方もかなり変わってくるだろうと思います。
中退扱いにならず、大きな舞台に選手たちが思い切って挑戦できるように、日本も「変化」していくべきだろうというのが個人的な意見です。
大学とプロ、また学業制度という大きな問題を解決しなければならない問題ですが、これからの日本を背負って立つ若手選手が、思い切ってチャレンジできる環境は必要を整えるのは、急務ではないかと思います。
皆さんは、どう考えるでしょうか?